刃牙「親父ィ……サラリーマンやってくんね!?」

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:31:08.29 ID:8OgzLElQ0

<刃牙ハウス>

ストライダム「な……なんだとォ!?」

刃牙「うん……」

ストライダム「今の台詞……本当にあのオーガに……?」

刃牙「いったよ。一言一句、完璧に再現させてもらったよ」

ストライダム「…………ッッ」

ストライダム「しかしなんでまた、そんなことに……」

刃牙「あれはちょうど親子喧嘩が終わってから、一ヶ月後だったかなァ……」

2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:31:42.24 ID:Yxq3gmuH0

(´・ω・`)厳密に言うと無職だからなぁ勇次郎


4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:31:55.79 ID:rDDa2yHN0

期待

6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:32:23.20 ID:ciXZk3Cw0

親父ィ……いい加減働いてくんね!?

7忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:15)2013/11/18(月) 21:33:05.31 ID:zyOOqn6j0

貴様ッ!!!!!イヤミかッ!!!!!!!

8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:35:36.78 ID:8OgzLElQ0

~ 回想 ~

<刃牙ハウス>

刃牙「褒美?」

勇次郎「うむ……」

勇次郎「先の親子喧嘩──」

勇次郎「この俺に味噌汁まで作らせた、お前の強さはホンモノだった」

勇次郎「反抗的な息子をしつけるのが、父親として当然の責務であるのと同様──」

勇次郎「出来のよい息子に、褒美をくれてやるのは父親として当然のこと」

勇次郎「お前のいうこと、願い、命令……なんでも一つだけ聞いてやる」

刃牙「ランプの魔神かよ、親父は……ハハ」

刃牙(この人がその気になりゃ、それこそなんでも叶えてくれそうだけどさ)

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:39:56.90 ID:8OgzLElQ0

刃牙(なんでも……かァ……)

刃牙(食器を洗わせるか? それともエアじゃない味噌汁を作らせるか?)

刃牙(兄さんも誘って、この間みたく豪華なホテルで食事ってのも悪くない)

刃牙(子供の頃みたいに、トレーニングしてもらうってのもアリかも)

刃牙(いや、トレーニングよりはマナーを教えてもらう方が先か……)

刃牙(それよりも、一緒に母さんの墓参り──)

刃牙(いやいやいや、待て待て待て!)

刃牙(今、俺が思い浮かべた願いなんて全部──)

刃牙(父親なら、するのが当然のことじゃん!)

刃牙(わざわざ褒美にやってもらうようなことじゃないじゃんッッッ!)

10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:41:34.60 ID:F73jy4XQ0

面白い

14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:44:14.44 ID:8OgzLElQ0

刃牙(よし……)

刃牙(だったら──)ゴクッ…

勇次郎「決まったか?」

刃牙「ああ、決まったよ……親父」

勇次郎「ほう……」

勇次郎「ではいってみろ。なんだってやってやる」

刃牙「いったね……?」

勇次郎「くどいぞ」

刃牙「じゃあお願いさせてもらうけど……」

刃牙「親父ィ……サラリーマンやってくんね!?」

勇次郎「!!!」

15KKK ◆AS7yB07AVAL5 2013/11/18(月) 21:46:05.98 ID:/awn3ged0

面白い

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:48:45.93 ID:8OgzLElQ0

~ 現在 ~

<刃牙ハウス>

刃牙「…………」

ストライダム「…………」

ストライダム「事情は分かった。しかし、なぜサラリーマンなんだ?」

ストライダム「考えてもみろ、バキ」

ストライダム「あのオーガが、オフィスでデスクワークに精を出すという超不自然!」

刃牙「たしかにね……。だけどあれでも父親なんだし、たまには働かないと、さ」

刃牙「それにさ……」

ストライダム「?」

刃牙「スーツ姿の範馬勇次郎……見たくね?」

ストライダム「バ、バカをいえ……」

ストライダム(見ってェ~~~~~ッッッ!)

刃牙「顔が緩んでるよ……ミスターストライダム」

18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:49:32.26 ID:uAX7EDdr0

おもしれえwwwwwww

19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:51:27.64 ID:8OgzLElQ0

ストライダム「ゴホン」

ストライダム「──で、肝心のオーガはなんと返事したのだ?」

刃牙「少し目を丸くした後、『うむ……』っていったよ」

ストライダム(今の『うむ……』結構似てたな)

刃牙「だけど、なんの事情も知らない会社で働かせるのは」

刃牙「いくらなんでも会社の人が可哀想だからね」

ストライダム(たしかに……想像するだけで気の毒になる)

刃牙「とりあえず、徳川のじっちゃんの系列の会社で働かせてもらおうってことで」

刃牙「二人でじっちゃんの家に向かったんだ」

21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:52:04.96 ID:csp1uy2jP

キーボード壊すイメージしかないわwww

22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:53:09.76 ID:rDDa2yHN0

親父の面倒は俺が見るッッ(介護)

27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:55:31.10 ID:8OgzLElQ0

~ 回想 ~

<徳川邸>

光成「ほう、勇次郎がサラリーマンに!?」

光成「オーガも人の子、いや人の親といったところかのう」

勇次郎「うるせェよ、ジジィ。すっかり完治しやがって」

刃牙「なにもずっと働かせてくれってワケじゃない」

刃牙「一回給料をもらえばいい……つまり一ヶ月だけでいいんだ」

光成「そういった事情なら、すぐにワシが系列会社の社長に話して──」

刃牙「ちょっと待った」

光成「ん?」

28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:56:08.08 ID:50wdMFbu0

バキだってちゃんと就職できんのかよ
実家のコネか?

31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:57:18.80 ID:y3QJ6H320

>>28
大統領誘拐の前科持ちだしな
まともな就職できんぞ

29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:56:32.15 ID:F73jy4XQ0

勇次郎英語しゃべれるよな 意外と仕事できるかもな

33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:58:46.29 ID:Z+vzcUpi0

勇次郎に営業やらせたら何でも売れるな

35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 21:59:27.92 ID:8OgzLElQ0

刃牙「今……就職難じゃん」

刃牙「俺の高校にも、就職活動で苦労してるヤツがいっぱいいるんだ」

刃牙「なのに、親父がじっちゃんのコネでなんの苦労もなく入社ってのは……」

刃牙「ちょっとずるくね?」

光成「……ってことはつまり──」

刃牙「親父には就職活動からやってもらう!」

光成「えぇ~~~~~!?」

刃牙「親父……どうだい?」

勇次郎「…………」

勇次郎「いいだろう……やってやる、就職活動ッッッ!」

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:01:53.18 ID:cUk8dT1a0

勇次郎と集団面接とか絶対やりたくないな……

38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:01:53.31 ID:H77TFotH0

プログラムぐらいさらっと書けそう

42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:03:29.53 ID:8OgzLElQ0

~ 現在 ~

<刃牙ハウス>

ストライダム「…………」

ストライダム(あのユージローの就職活動……まったく想像できん)

ストライダム「……それで、どうなったんだ?」

刃牙「俺もいってみたはいいけど、就職活動ってよく知らないからさ」

刃牙「梢江に聞いてみたら──」

刃牙「応募する時には大抵履歴書が必要らしいから、履歴書から書くことにしたんだ」

ストライダム(オーガの履歴書……ッッ!)

43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:03:34.06 ID:QSwbFZn/0

勇次郎って腕力使わなくても大概のことは出来そう

46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:04:58.56 ID:MVekkmsp0

資格

世界最強

51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:08:32.60 ID:8OgzLElQ0

~ 回想 ~

<刃牙ハウス>

勇次郎「できたぞ」スッ…

刃牙「へえ、親父って案外字もウマいんだなァ……」

刃牙「…………」

【職歴】
傭兵(ベトナム戦争他)

【資格】
アメリカ合衆国と友好条約、海皇(ただし辞退)

【趣味・特技】
格闘技、水泳、料理

【志望動機】
雇え

刃牙「~~~~~ッッッ!」

刃牙(とてもツッコミきれねェよ……親父。特技料理ってアンタの味噌汁しょっぱいし)

52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:09:11.24 ID:F73jy4XQ0

くっそwwwwwwwwwwww

53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:09:48.35 ID:zjdTh/fnO

!!!?

54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:09:52.46 ID:hhNC28Pa0

特技に地震止めれるのと避雷針追加で

57KKK ◆AS7yB07AVAL5 2013/11/18(月) 22:11:45.51 ID:vYnd4LAV0

弱点をすぐ見抜けるも追加で

58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:12:22.00 ID:uAX7EDdr0

ワロタ

66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:15:13.20 ID:8OgzLElQ0

刃牙「俺も就活ってしたことないし、あまり偉そうにいえる立場じゃないけど……」

刃牙「もう少しこう、普通にした方がいいような……」

勇次郎「ふむ……」

勇次郎「この就職難の時勢、求職者が職を得るために」

勇次郎「自分がよりよく映るよう、面接や履歴書で己以上の装飾を加える……」

勇次郎「その装飾するスキルもまた、一種の才能といえるかもしれぬ」

勇次郎「しかしながら、職についたとたん、それらと大きなギャップが出てしまう」

勇次郎「これでは健全とはいいがたい」

勇次郎「雇用関係となる前に、雇う側と雇われる側が──」

勇次郎「互いが互いを正しく理解することこそ、職には肝要だ」

刃牙(なんてマトモなことを……ッッ!)

刃牙(いや、だったらもっとマトモな履歴書書けよってハナシだけど)

刃牙「んじゃあ、履歴書はこれでいいか……」

勇次郎「うむ」

67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:16:03.07 ID:H77TFotH0

でも超絶ブラックなら雇ってくれそう
日本怖い

68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:16:08.49 ID:GWqjJhL00

しかし実際やらせたら大抵のことはこなせそうなんだよな

69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:16:10.65 ID:uAX7EDdr0

いいのかよwwwwwwwww

73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:18:01.87 ID:U7Hd/tz30

おもろいな

75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:18:21.86 ID:8OgzLElQ0

~ 現在 ~

<刃牙ハウス>

ストライダム「まったくオーガらしいというか、なんというか……」

ストライダム「で、その後はどうなったんだ?」

刃牙「写真屋で写真を撮って……貼り付けて、郵送して……」

刃牙「ちなみにこれが写真」スッ

ストライダム(あのオーガが……ッッ! リクルートスーツ!? ピチピチだ……!)

刃牙「それで、徳川グループ系列のある商社で、面接を受けることになったんだ」

ストライダム「面接は……いつやるんだ?」

刃牙「今日の三時からっていってたから、もうすぐじゃないかな?」

ストライダム「今日なのか……」

ストライダム「グッドラック……面接官」

76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:19:17.47 ID:F73jy4XQ0

商社かよwwwwwwwwwwwwwwwww

77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:19:30.12 ID:H77TFotH0

髪型もオールバックでキメてるんだろうな

78KKK ◆AS7yB07AVAL5 2013/11/18(月) 22:19:48.54 ID:vYnd4LAV0

むしろ七三分けで

79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:19:59.46 ID:ILNG/icM0

クソワロタ

80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:20:12.04 ID:0McTOLwV0

一ヶ月で辞める奴を商社に行かせんなwwww

83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:23:16.19 ID:8OgzLElQ0

その頃──

<徳川商事株式会社>

人事部長「質問よろしいでしょうか、社長(プレジデント)」

社長「なにかね?」

人事部長「総合商社ナンバーワンとして、華々しい歴史を誇る我が徳川商事が」

人事部長「なぜこんなにも突然! なぜこんな中途半端な時期に!」

人事部長「なぜ、こんなどこの馬の骨とも知れぬ男を面接せねばならんのですッッッ!」

人事部長「人事を務めて20余年──こんなふざけた履歴書は初めてだ!」バサッ

社長「徳川グループ総帥、直々の依頼があったのだ……誰も逆らえぬさ」

人事部長「あの徳川光成が……ッッ!? 会長でもめったに会えぬという……ッッ」

社長「うむ」

社長「だが、依頼はあくまでも面接をさせてくれ、というところまでだ」

社長「採用か不採用かは、我々の──つまり君の裁量に任せるそうだ。ワカるね?」

人事部長「なるほど……」ニィッ

人事部長「では本日の面接、私に一任していただきたいッッッ!」

84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:24:08.44 ID:H77TFotH0

英語中国語は話してたな

86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:26:16.58 ID:gI64mXlIi

勇次郎ならどんな職でも頂点取れるよな

87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:26:31.44 ID:8OgzLElQ0

人事部長『君は若いからさァ……ウチじゃなくてもいっぱいいいとこあるんじゃない?』

若者『いえ、そんなことは……!』

人事部長『資格だけあってもねェ~……実績がなきゃなんの意味もないのよ、ワカる?』

青年『それは……そうなんですが……』

人事部長『こんなスッカスカの経歴で、よくウチに応募する気になったね、アンタ』

中年『ですが、募集要項には……』

人事部長(相手の弱点を徹底的に突き、えぐる、私の面接術……)

人事部長(面接中に学生どころか、いい年した大の大人が泣くことも珍しくない)

人事部長(そしていつしかついた異名が……“ミスター圧迫”)

人事部長(範馬勇次郎……)

人事部長(こんなふざけた履歴書の時点で、すでにキサマの不採用は確定しているが)

人事部長(わざわざ来てくれるのだから、土産をくれてやろう……)

人事部長(この私の“圧迫面接”をな……ッッ!)ニィッ

88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:26:35.92 ID:ULWllw0Y0

さて…
この時のことを○○氏はこう語る
的な展開か

90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:26:56.38 ID:6ct3B9Gi0

すげーシュール

92忍法帖【Lv=18,xxxPT】(1+0:15)2013/11/18(月) 22:27:13.66 ID:0gnoPTYM0

勇次郎でも就活してるというのにお前らときたら…

96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:31:39.21 ID:8OgzLElQ0

<面接室>

社長「もうまもなく、だな」

副社長「ええ」

総務部長「頼みますぞ、人事部長」

人事部長「お任せを──」

グニャァ~……

社長「!?」ビクッ

副社長(な、なんだこの重圧感は……!?)

総務部長(まるで巨大な足で踏みつけられてるかのような……ッッ)

人事部長(こ、こんな現象は初めてだッッッ!)

コンコン

人事部長「!?」ビクッ

97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:32:35.66 ID:F73jy4XQ0

脳内再生余裕すぎwwwwwwwwwwwwwwww

100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:33:25.69 ID:ULWllw0Y0

>>97
あのキャストじゃ脳内再生してもしれてるだろ…

101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:33:58.36 ID:+9/cZMUb0

面白すぎワロタwwwwww

103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:35:20.86 ID:8OgzLElQ0

勇次郎「返事がねェな……入るぜ」

ガチャッ…… メキュッ!

勇次郎「チッ……」

人事部長(ドアノブが……ねじれて、ちぎれたッッッ!?)

社長「~~~~~ッッッ!」

総務部長(この男の風貌……まるで鬼ッ!)

副社長(もしかしてこの男、親子喧嘩をしていた……!? 生で見られるとはッ!)

勇次郎「オイ」

人事部長「は、はい!?」ビクッ

勇次郎「椅子の横に立ったら、“どうぞ”といわれるハズなんだが……?」

人事部長「あ、はい! ど、どうぞっ!」

勇次郎「失礼する」スッ… ガタッ

人事部長(人事一筋20余年──こんなこと初めてだ……ッッ!)

人事部長(いうなれば──逆圧迫面接ッッッ!)

104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:35:53.08 ID:fagf5GQ9i

これはワロタ

105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:36:31.83 ID:6wrWIII80

逆圧迫面接wwww

106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:37:09.30 ID:BT4G7Gl40

いきなり敬語になっててワロタ

107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:37:09.55 ID:jdHTaO310

動機からして圧迫だしな

109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:38:51.25 ID:Ba4MFIqj0

面白い

110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:39:23.14 ID:ULWllw0Y0

漫画で再生されるわ

113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:40:28.59 ID:F73jy4XQ0

勇次郎で学ぶ就職活動

114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:40:30.99 ID:LKT+22PI0

おもしれwwwww

116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:41:07.00 ID:8OgzLElQ0

ドアが外れ、外から丸見えの部屋──

オフィスよりも戦場が似合いそうな、求職者──

汗だくの社長以下、百戦錬磨の面接官たち──

これが一流企業の採用面接の現場だと、信じる者が果たしているだろうか。

シ~ン……

勇次郎「オイ」

社長「はいっ!」ビクッ

勇次郎「なにか質問はねェのか……?」

社長「君……さっき『一任してくれ』といっただろ……?」ボソッ

人事部長「は、はい……ッッ! えぇと……」ゴクッ…

勇次郎「…………」

人事部長「…………」

人事部長「さ、さささ、さ……さ、ささ……」

人事部長「採用ッッッ!」

117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:42:02.81 ID:ciXZk3Cw0

ワロタ

119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:42:23.18 ID:cUk8dT1a0

逆圧迫面接ワロタwwwwww

121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:42:41.09 ID:oeqlbIiw0

なるほどこれはうまい
作者のアシスタントでもやってたのか?

128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:46:40.89 ID:7+OlikbLi

これは良スレ

129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:46:51.68 ID:8OgzLElQ0

人事部長の判断は的確(ただ)しかった。

もしこの鬼の逆鱗に触れれば、会社が物理的に倒産しかねない。

眼前の鬼を刺激せずに、面接を終わらせる方法──これしかなかった。

社長「では採用ということで、本日はこれでお開き──」

勇次郎「オイ」

社長「オワッ!?」ビクッ

勇次郎「徳川のジジイになにを吹き込まれたか知らねェが──」

勇次郎「この範馬勇次郎の前に座る以上、手抜きは許さねェ」

勇次郎「俺を他の受験者と同じように扱え」

勇次郎「でなくば、ここにキサマらの屍が出来上がることになる」

社長「~~~~~ッッッ!」

社長「わ、分かりました……いつもどおりやりましょう」

社長「さ、君!」

人事部長(ぐっ……もはや私の手にも負えないと分かってるくせに、このタヌキが!)

人事部長「で、では……いつもどおりに……」ニコッ

130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:47:27.09 ID:lOf0DTbo0

物理的に倒産wwwww

132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:48:16.60 ID:uAX7EDdr0

勇次郎による面接と化したッ!!

133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:48:17.53 ID:m6iuQrBJ0

嫌味か貴様!!!!!!!!!

139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:51:32.76 ID:8OgzLElQ0

人事部長「まず最初に……この会社に応募した動機を教えて下さい」

勇次郎「雇われてェからだ」

人事部長「~~~~~ッッッ!」

人事部長「私どもの企業について、なにかご存じのことは……?」

勇次郎「ねェな」

人事部長「め……」

人事部長「面接を受ける会社のことをなにも調べてないというのは、いささか──」

社長(いうなッ! 殺される……ッッ!)

人事部長「ふ、不勉強なような、気がいたしますが……? ど、どうでしょ?」チラッ

勇次郎「…………」ギンッ

人事部長「ヒッ!」

人事部長「いえいえいえ、いいんです! 企業研究なんざやるヤツはバカ──」

勇次郎「たしかにな……不勉強だったかもしれぬ」ペコッ…

人事部長(え……会釈ゥ!?)

146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:55:13.87 ID:8OgzLElQ0

人事部長「え、えと履歴書によると……傭兵……を一時期なさっていて……」

人事部長「その後、職歴がない時期がありますが、なにをされていたんですか……?」

勇次郎「ふむ……」

勇次郎「各国の首脳どもにちょっかいをかけたり、餌を喰らったりしていた」

人事部長「餌を喰らう……とは?」

勇次郎「猛獣や格闘士を闘争でブチのめすことだ」

勇次郎「闘争とは力の解放──最上のカタルシスを得られる最高の娯楽だ!」

人事部長「~~~~~ッッッ!」

人事部長「ナ、ナルホド……」

人事部長「では……それらは当社にとって、どのようなメリットがありますか?」

勇次郎「寝ぼけるな」

勇次郎「なにもてめぇらのためにやってたワケじゃねェ」

人事部長「で、ですよね~」

153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 22:59:47.50 ID:8OgzLElQ0

面接はおよそ30分に及んだ。

いかに勇次郎の迫力が常軌を逸しているとはいえ、

30分も同じ空間にいれば多少なりとも慣れというものが生じてくる。

そしてにわかに──

「この範馬勇次郎という男、案外話せる男なのでは?」という希望的観測が生ずる。

だがそれは──大いなる錯覚なのである。

人事部長「──それにしても、範馬さんほどの男なら女性が放っておかないでしょうな」

社長「うむうむ」

人事部長「どうです? 女性関係はお盛んなんでしょう?」

ハッハッハ……

勇次郎「…………」

162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:04:41.90 ID:8OgzLElQ0

ボッ!

人事部長「え?」

面接官たちの前にあるテーブルが──天井にめり込んだ。

原因が天を向いている勇次郎の右足であることは明らかだった。

勇次郎「多少俺のことがワカったつもりになったんだろうが……」

勇次郎「図に乗るんじゃねェ」

人事部長「~~~~~ッッッ!」

人事部長「す、すす、すびばせん……ッッ」ジョボボボ…

社長(鬼ッ!)

副社長(いやァ~さすが、地上最強といわれるだけのことはある)

総務部長「…………ッッ」

169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:08:14.31 ID:8OgzLElQ0

面接官が尿を漏らすという異常事態のため、面接はその場で中断となった。

勇次郎「……で、俺はどうなるんだ」

社長「えっ」

社長「あ……もちろん、採用ですよ。ハハハ……」

勇次郎「そうか」

社長「それで……いつから出社されますかな? 一ヶ月後? あるいは一年後?」

勇次郎「明日だ」

社長「え……」

勇次郎「明日までに俺の席を用意しておけ」

社長「は、はい……ッッ」

勇次郎「では失礼する」ペコッ…

副社長(一応、面接の作法に乗っ取って、退室するんだ……)

ドアのない部屋から、勇次郎が退出した。

176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:13:10.16 ID:8OgzLElQ0

徳川商事、激震!!!

新入社員、範馬勇次郎──

いうなればいつ爆発するともしれぬ不発核爆弾である。

こんな危険物を、いったいどこの部署が引き取るのか!?

企業もまた、一種のヒエラルキーが存在する。

こういう場合(ケース)において貧乏くじを引くのは、

実績に乏しく、発言力の少ない部署となる。

むろん、今回もその原則が適用された。

182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:16:41.04 ID:8OgzLElQ0

徳川商事第六営業部四課──

扱う商材は地味で、華もなく、業績もパッとしない。

ゆえに活気もないが、細々とした業務が多く、忙しさと拘束時間だけは一流以上。

出世街道を歩む者からは

『会社から無視(六四)されてる』『虫(六四)ケラ』などと揶揄され、

会社のお荷物の域にすら達していない、ある意味での聖域。

ここに入れられたら真っ先にやるべき仕事は転職活動ともいわれる最弱中の最弱の部署。

地上最強の生物の配属先は、ここに決定した。

185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:22:30.65 ID:8OgzLElQ0

徳川商事入社五年目、皿理満夫(28)はこう述懐する。

満夫「えぇ、課長に呼ばれた瞬間、すぐに直感(わか)りました」

満夫「仕事の勘は冴えないンですが、こういう勘だけはよく当たるもので」

満夫「ああ、これはとんでもないことを押しつけられるな、と」

課長「皿理君」

満夫「……はい」

課長「明日から、この課に新人が配属になる」

課長「ただし、一ヶ月の間だけだそうだ」

課長「君が面倒を見てやってくれ」

満夫「はぁ……」

186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:23:15.28 ID:6PwJ5KL60

語り手キター

188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:26:31.93 ID:ULWllw0Y0

語り手展開ッ!

189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:26:33.24 ID:8OgzLElQ0

満夫「──断る?」

満夫「出来るワケないじゃないですか」

満夫「就職難を勝ち抜いてきた優秀な新入りがウチの課に入るハズもなく」

満夫「課で一番若いのは五年目のボクでしたし……」

満夫「長年冷や飯を食っているせいか」

満夫「ウチの上司や先輩って、下の反目にはものすごく敏感なんですよ」

満夫「逆らうと必要以上に過酷な仕打ちが待ってる」

満夫「ムチャな仕事を押しつけられたり、些細なことで延々小言をいわれたり」

満夫「ま、そんなんだから六四に配属になったンでしょうけど」

満夫「彼らに何も出来ないボクも含めてね」

満夫「そんなわけでこのボクが彼の面倒……教育係に決まったワケです」

満夫「あの範馬勇次郎の、ね」

195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:30:28.55 ID:8OgzLElQ0

出社初日──

<刃牙ハウス>

勇次郎「……ジジィにストライダム」

勇次郎「こんな朝っぱらから、なんでてめェらまで来てやがるんだ」

刃牙「まぁまぁ、親父」

刃牙「ジッちゃんは徳川財閥のトップ、ストライダムさんは友人代表として」

刃牙「範馬勇次郎の初出勤を見届けたいんだよ」

勇次郎「……ケッ」

光成「ほぉ~う……。スーツ姿も決まっておるのう、勇次郎」

ストライダム(本当に……ユージローがサラリーマンに……ッッ)

勇次郎「んじゃ、行ってくるぜ」ズチャッ…

刃牙&光成&ストライダム「行ってらっしゃ~い」

地上最強の出勤、開始……ッッ!

207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:36:37.66 ID:8OgzLElQ0

<駅>

不思議な光景であった……。

大混雑の真っただ中にある早朝、東京都心──

その中をただ一人、無人の野を行くが如く闊歩する男があった。

勇次郎「…………」ザッザッ

権威には道を譲るべしという人としての習性か、

あるいは強者には近づくなかれという動物としての本能か、

範馬勇次郎の周囲半径1メートル圏内はまるでバリアでも張り巡らされたかのように

無人の領域と化していた。

勇次郎「フンッ」

勇次郎(避けられてるようで、いい気分じゃねェな)

211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:40:40.58 ID:8OgzLElQ0

<徳川商事株式会社 第六営業部四課>

満夫「はぁ……」

満夫(ただでさえ無駄に忙しいってのに、なんで俺が教育係なんか……)

満夫(──にしても、一ヶ月だけ来る新人なんていったいどんなヤツなんだろ)

満夫(無能だったら俺が苦労するし、優秀だったら扱いにくいし……)

満夫(気が重い……)

すると──

ズチャッ……

勇次郎「ここが第六営業部四課か」

満夫「!?」

満夫(なんだコイツ!? なんつう筋肉……肌とか金属っぽいし……新種の人類!?)

満夫(ま、まさか……まさか、コイツが新入社員……ッッ!?)

215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:43:26.58 ID:8OgzLElQ0

始業時刻──

課長「えぇと……今日からウチの課に入った、範馬勇次郎君です」

勇次郎「よろしく」グニャ~

課長「は、範馬君は……皿理君についてもらうことになる」

課長「皿理君、頼んだよ」

満夫「は、はい……」

満夫(頼んだよ、か)

満夫(いつもいつもいわれるこの言葉)

満夫(いつだったか、『頼む』の意味を辞書で調べたことがある)

満夫(当てにする、信用する、委ねる……)

満夫(だけど、俺がこれらの意味でいわれたことはほとんどない)

満夫(今回だって、ただ押しつけられてるだけ……)

満夫(俺なんて、その程度の存在なんだ……)

217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:45:25.41 ID:8OgzLElQ0

満夫「え、えぇ~と……よろしくお願いします、範馬さん」

勇次郎「うむ」

満夫(なんつう威圧感だよ……まるで鬼か恐竜だ。どっちも見たことねェけど)

満夫「きょ、今日のところは初日ですので」

満夫「私が仕事をしているところを見る、という感じにいたしましょう」

勇次郎「うむ」

満夫(ぶっちゃけ、俺に他人の世話する余裕も能力もないしな)

満夫(今日のところはこれでしのぐとするか……)

220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:50:50.88 ID:8OgzLElQ0

満夫「さっそく外回りにいきましょうか」

満夫「ボクが運転しますので、助手席に──」

勇次郎「…………」ズチャッ…

ドカッ……!

後部座席に腰かける勇次郎。

満夫「~~~~~ッッッ!」

満夫(後部座席に……一切の迷いなく……ッッ)

満夫(どうしよう、注意すべきか?)

満夫(いや……このヒトが助手席にいたら俺への圧迫感もハンパじゃなさそうだし)

満夫(このままでいいや……)

満夫「じゃ、出発しまァ~す」ブロロロ…

226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:56:12.23 ID:8OgzLElQ0

<得意先A>

得意先課長「…………」

満夫「…………」

ソファにどっかりと腰を下ろす勇次郎。

勇次郎「どうした……? 打ち合わせを開始(はじ)めろ」

得意先課長「そ、そうですな」

満夫「は、始めましょうか」

満夫(肉食動物みたいな人間の横で、落ちついて打ち合わせなんかできるかよ……)

満夫(相手の課長さんなんか、完全に目が泳いじゃってるし……)

勇次郎「早くしろ」

満夫&得意先課長「は、はいッ!」

満夫(無理だ……ッッ)

231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/18(月) 23:59:23.85 ID:8OgzLElQ0

打ち合わせが終わり──

勇次郎「フン……一時間も居座って、なんも決まらなかったじゃねェか」

満夫(アンタのせいだろうが……ッッ)

満夫「範馬さん、次に向かう会社の部長さんはオヤジギャグが好きなんです」

勇次郎「オヤジギャグ?」

満夫「要は、ダジャレとかをよく口にするンですよ」

満夫「──で、愛想笑いでも浮かべないと、とたんに不機嫌になるんです」

満夫「なので、相手がギャグをいったら、たとえつまらなくても笑って下さい」

勇次郎(下らねェ……)

勇次郎(だが、全力でやらなければ、サラリーマンになった意味がねェ)

勇次郎「よかろう……」ニィ~

満夫(嫌な予感しかしない……俺の勘がそういってる)

240以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:07:16.18 ID:0Kf4G/Br0

<得意先B>

ハハハハハ…… ワハハハハ……

満夫(最初はさっきの得意先のように、緊張感にあふれてたが──)

満夫(相手が範馬勇次郎の迫力に慣れてきた……そろそろ来るぞ)

得意先部長「それにしても、最近は洋菓子がないねェ~」

満夫(……へ?)

得意先部長「ケーキがない……不景気、なだけにね」チラッ

満夫「……あっ! あははっ! そうですよねェ~……アハハ、アハ……」

勇次郎「エフッ」

満夫&得意先部長「?」

勇次郎「エフッ! エフッ! エフッ!」

勇次郎「アハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」

ベリベリィッ! バキバキッ! メリメリメリ……!

笑いながら、ソファをみるみるうちに破壊(こわ)す勇次郎。

満夫&得意先部長「~~~~~~~~~~ッッッ!」

247以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:11:34.18 ID:0Kf4G/Br0

打ち合わせが終わり──

勇次郎「どうだった」

満夫「え」

勇次郎「俺の愛想笑いは……?」

満夫(あれ愛想笑いだったのかよ……ッッ)

満夫(てっきりつまらなすぎて、激怒したものかと……)

満夫(向こうの部長なんか、二度とギャグはいうまいみたいなツラしてたし……)

満夫「よ、よかったんじゃないでしょうか……オス」

勇次郎「オイ」

満夫「え」

勇次郎「世辞は許さねェ……教育係だってんならちゃんと教育しろ」

満夫「~~~~~ッッッ!」

251以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:15:40.03 ID:0Kf4G/Br0

満夫「え、と……」

勇次郎「早くいえ」

勇次郎「手加減……いや口加減を感じたら、ブチ殺す」

満夫「笑い方は……もっと穏やかでいいと思います」

満夫「こう……少し唇を上げるぐらいで……」ニッ…

勇次郎「ふむ……」

満夫「あと……今回はなんとかなりそうですが、ソファを壊すのはどうかと……」

勇次郎「ふむ……」

満夫(ちゃんと聞いてるのか?)

満夫「では今日のところはこれで帰社しましょう」

満夫「帰社して終業時刻になったら、範馬さんは退社してかまいませんので」

勇次郎「うむ、明日もよろしく頼む」ペコッ…

満夫(え……ッ! 会釈ゥ!?)

254以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:19:24.50 ID:0Kf4G/Br0

その夜──

<刃牙ハウス>

刃牙「お帰り、オヤジ」

勇次郎「ジジイとストライダムはいねェのか」

刃牙「さすがにずっとここにはいられないよ。二人とも、ああ見えて忙しいしね」

勇次郎「フンッ……」ムスッ…

刃牙(なんで不機嫌になってんだよ)

刃牙「──で、どうだった?」

勇次郎「ふむ……」

勇次郎「なにしろ初めてのことだ。まだなんともいえねェな」

刃牙「たしかにね……ま、一ヶ月は頑張ってくれよ。なんたって褒美なんだから」

勇次郎「いわれなくとも分かっている」ムス…

258以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:22:11.66 ID:++v1radt0

面白いなww

261以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:23:06.12 ID:7rTI1Cek0

勇次郎は頭良いし礼節は弁えてる紳士だからな

262以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:23:55.18 ID:f4Wkg6Ff0

クソワロタ

263以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:24:20.22 ID:0Kf4G/Br0

翌日──

<徳川商事株式会社 第六営業部四課>

勇次郎「皿理よ、今日はなにをやるんだ」

満夫「えぇ~……本日はデスクワークをしましょうか」

勇次郎「ほう……」

満夫「表計算ソフト『エクセル』で、売上のグラフを作ってもらいます」

勇次郎(デスクワーク……)

勇次郎(考えてみれば初めての体験……)

満夫(絶対デスクワークとかパソコンとかとは、無縁なタイプだよな……この男)

満夫(あ~あ、こりゃまた手こずりそうだ……)

264以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:26:50.02 ID:3NZbBZ1b0

地上最強のデスクワークッッ!!!

266以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:27:38.33 ID:c8lEKB2h0

キーボード壊れるだろ

268以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:28:32.77 ID:UQZ+fPm40

オーガのキーボード一本打法

270以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:29:30.57 ID:0Kf4G/Br0

カタカタカタカタ……

満夫の予想に反し、キーボードを巧みに操る勇次郎。

満夫(ウ、ウマい……ッッ)

満夫(こういう頭脳労働は苦手だと決めつけていたが──)

満夫(この人……アタマいいんだァ……。俺なんかよりずっと……)

勇次郎「どうだ」カタカタ…

満夫「いや……なんていうか、文句ナシですよ。もちろん口加減なんてしてません」

満夫「このまま印刷して、会議で使えるレベルです」

勇次郎「ふむ……」カタカタッ ターン

メキッ……

満夫「ああっ、キーボードが!」

勇次郎「…………」

勇次郎「ちィと、張り切りすぎたか」チッ

満夫(このエンターキー、指の形にヘコンでやがる……! どんな圧力……ッッ)

キーボードの尊い犠牲と引き換えに、勇次郎はデスクワークをマスターした。

273以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:30:30.96 ID:0ojqlFRD0

いろいろと器用だしなぁ…

274以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:30:35.97 ID:888v/2Sy0

エンターキーwwwwww

277以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:32:20.58 ID:QF+xTjojO

クソワラタ

280以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:33:51.94 ID:oVJGm0G20

かっこいい

281以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:34:08.31 ID:0Kf4G/Br0

またある日のこと──

<徳川商事株式会社 第六営業部四課>

満夫「総務から、範馬さんに名刺が届きました」

勇次郎「ほう……」

勇次郎「これが名刺……」

満夫「自己紹介を兼ねて、これを渡すわけです」

勇次郎「ふむ……」ニィ~

満夫(わ、笑ってる!?)

勇次郎「徳川商事の範馬勇次郎だ」スッ

通行人「~~~~~ッッッ!」

満夫(出会った人に手当たり次第渡してる……よほど気に入ったのか)

満夫(一ヶ月しか勤めないのに、名刺交換なんかしても仕方ないだろうに──)

満夫(しかし、あの行動力はスッゲェよなァ……俺には出来ない)

282以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:34:52.08 ID:jr96+RVH0

一般人に渡すなよwwwww

283以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:35:16.26 ID:OptLOKQB0

一般人よく受け取れるな

284以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:35:17.80 ID:3NZbBZ1b0

クッソワロタwwwwwwwww
無邪気だなwwwwwwwwwww

285以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:35:23.13 ID:7xCTtgiG0

なんか可愛いね

287以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:36:00.56 ID:UQZ+fPm40

このオーガはかわいいw

288忍法帖【Lv=30,xxxPT】(1+0:15)2013/11/19(火) 00:36:33.50 ID:U7Mwr+vk0

だんだん可愛く見えてきた

289以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:37:07.08 ID:gQcj1qpS0

なにこのオーガかわいいwwww

290忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15)2013/11/19(火) 00:37:07.54 ID:rs8dgFKL0

ワロタ

291以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:37:46.20 ID:0Kf4G/Br0

そして、一週間が過ぎた頃──

満夫「範馬さん、今日は接待があります」

勇次郎「ほう……」

満夫「しょせんウチの課なので、大した客じゃありませんし大した店にも行けませんが」

満夫「くれぐれも粗相のないよう、お願いします」

勇次郎「むろんだ」

勇次郎(接待か……)

勇次郎(されることは多かったが、するってのは初めてだな)

勇次郎「面白ェ……」ニィ~

満夫(俺は面白くない……ッッ)

292以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:38:33.21 ID:B6eNiwW40

満夫だいぶ慣れたな…

293以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:38:38.38 ID:jr96+RVH0

伝説のバーボンジョッキで一気飲みをやるつもりか

294以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:41:22.54 ID:0Kf4G/Br0

<居酒屋>

シュッ ピンッ……!

勇次郎の人差し指が、ビール瓶の頭を切断した。

接待相手「~~~~~ッッッ!」

満夫(手刀とかじゃなく……指ィ!? ナイフでもこんなことできねェだろ……)

勇次郎「注いでやる……飲め」グッ

接待相手「は、はいッッッ!」バババッ

ドボッ ドボォッ ドボッ……

勇次郎「乾杯だ」スッ…

接待相手「ありがたくッッッ!」カチンッ

満夫(もはや、どっちが接待してるのか、されてるのかワカらん……)

満夫(これじゃまるで──)

満夫(逆接待ッッッ!)

295以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:41:34.96 ID:S1fb7U9T0

勇次郎って頭も良かったよな
次は高校の生物の教師で頼む

300以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:45:55.12 ID:0Kf4G/Br0

営業車で移動中、こんなハプニングもあった。

ブロロロロ……

満夫「次の行き先は、と──」チラッ

満夫「ん?」

満夫「クソッ、カーナビがズレてやがる……道は覚えてるけど不便だな……」

勇次郎「フンッ」

勇次郎「アイツら……。どっちか知らねェが……はしゃいでやがんな」

満夫(突然なにいってんだ、この人!?)

<アリゾナ刑務所>

オリバ「オオオ~ッ! マリアとの待ち合わせに遅刻してしまう!」ダダダッ

<ゲバルの島>

ゲバル「ヤイサホーッ!!!」ダダダッ

手下「飲みすぎッスよォ、ボスゥ~!」

303以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:47:31.56 ID:KnX+duLQ0

>>300
この世界のカーナビ不便すぎるwwwwwwww

301以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:46:52.18 ID:wB5jKtbI0

この世界平和過ぎだろ・・・

302以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:47:03.28 ID:3NZbBZ1b0

ヤイサホーwwwwwww

306以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:48:01.12 ID:PksOf0uM0

こいつら…はしゃいでやがるッッ

307以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:48:37.26 ID:lDbRF9kF0

オリバさんは幸せになってほしい

308以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:49:22.20 ID:3QRJu9ZM0

>>307
幸せだよもう

309以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:49:39.88 ID:G5SPgqqd0

もう幸せだろマリアいるし

310以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:49:46.47 ID:0Kf4G/Br0

そして、半月を過ぎる頃には──

<得意先C>

得意先社長「これはこれは……範馬様と皿理様」

得意先社長「どうぞ、こちらへ」スッ…

勇次郎「入るぜ」ズチャッ…

満夫(すっかり得意先がひれ伏すようになってしまった……ついでに俺にまで)

得意先社長「ブルーマウンテンのコーヒーです」スッ

満夫「ど、どうも」

満夫(オイオイ、ブルーマウンテンなんて飲んだことねェよ)ズズッ…

勇次郎「皿理よ」

満夫「はいっ!?」ビクッ

勇次郎「出された物を、漫然と口に運ぶな」

満夫「は、はいっ!」

314以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:51:45.17 ID:iZ0TFLbT0

>>310
もうどっちが教育してるのかわからない件

311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:50:14.14 ID:QF+xTjojO

面白い

313以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:50:52.27 ID:ruCHDP+IO

俺が満夫だったら3日でハゲてる

320以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:53:45.13 ID:0Kf4G/Br0

<徳川商事株式会社 第六営業部四課>

満夫(スゲェなァ……範馬勇次郎)

満夫(メチャクチャな男だが、憧れちまうよなァ……男として)

満夫(それに引き換え、俺は──)

課長「皿理君、ちょっと来たまえ」

満夫「は、はい」ガタッ

課長「なんだね、この書類は? ええ? ふざけてるのかね?」

課長「おかげで私が部長に叱られてしまったじゃないか」

満夫(なにいってんだ、この人……アンタのいうとおりにやったんじゃないか!)

満夫「で、ですが、それは課長がそうしろと──」

課長「皿理君……口答えする気かね?」ジロッ

満夫「い、いえ……申し訳ございませんッ!」

324以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 00:56:34.49 ID:0Kf4G/Br0

課長「皿理君、これ明日までに頼むよ」

満夫「明日まで!? ムチャですよ、課長──」

課長「…………」ジロッ

満夫「や、やります。やります」

係長「ついでにこれも頼むよ」ドサッ…

先輩「これ頼むわ。今夜サッカー見たいしな」ドサッ…

満夫「は、はい……」

満夫(それに引き換え、俺は──)

満夫(いいようにこき使われ、利用され、不満の一つも怖くてこぼせやしない)

満夫(最弱部署の最弱サラリーマンのまんまだ……)

満夫(ま……これが俺にはお似合いの人生なんだろうけどさ)

327以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:00:32.32 ID:0Kf4G/Br0

<刃牙ハウス>

刃牙「頑張ってるじゃん、親父」

刃牙「もうすぐ一ヶ月経つけど、サラリーマンってのはどうだい?」

勇次郎「ふむ……」

勇次郎「サラリーマンって仕事は、いらぬ不純物が多すぎる」

勇次郎「この一ヶ月でようやく分かったが、俺には向いてねェな」

刃牙(ようやくって……。親父、最初から分かり切ってただろ……)

刃牙「ま、俺もこの先ずっとサラリーマンやってくれなんていわないよ」

刃牙(もし延長なんかさせたら、会社の人が気の毒だしな)

勇次郎「うむ」

勇次郎「ただ……」

勇次郎「最後に一つだけやっておきてェことができた」

刃牙「やっておきたいこと……?」

328以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:01:09.16 ID:Dlw5Y7yU0

悟空もだけど強い奴って絶対頭いいよね

329以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:01:09.88 ID:3NZbBZ1b0

お・・・?

331以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:01:45.03 ID:1745BYBe0

熱い展開になってきやがった・・・

333以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:04:14.31 ID:0Kf4G/Br0

ブロロロロロ……

満夫「いやァ~、もうすぐ一ヶ月ですね、範馬さん」

満夫「しっかし、本当に退職してしまうんですか?」

満夫「せっかく仕事も覚えてきたというのに、残念で──」

勇次郎「おべんちゃらはいい」

満夫「え」ギクッ

勇次郎「皿理よ」

勇次郎「常々思っていたが──」

勇次郎「なぜ、同僚にいいように打たれっぱなしでいる?」

勇次郎「反撃はおろか──回避も防御(うけ)さえもしねェ」

勇次郎「しかも、それを全て受け入れるほどの強靭さ(タフネス)を」

勇次郎「持ち合わせてるワケでもねェときてる」

満夫「…………ッッ」

334以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:04:57.66 ID:G5SPgqqd0

良い話になりそうな

335以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:06:17.15 ID:WioeTRu30

エンディングが…見えた!

336以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:07:42.11 ID:GaKsh5nR0

期待せざるを得ない

337以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:08:00.97 ID:i9u++DIZ0

これは期待

339以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:08:51.63 ID:/Xr3Zdlg0

バキ読みたくなってきた

341以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:10:24.06 ID:0Kf4G/Br0

勇次郎「サラリーマンなる社会──」

勇次郎「地位やしがらみ、暗黙のルールなど不純物こそ多いが、本質は闘争と同じだ」

勇次郎「いかに己のワガママを通せるかで、高みに登れるか否かが決定(きま)る」

勇次郎「しかし、おめェのやり方じゃ高みに登るどころか」

勇次郎「地の底まで沈んでいくだけだ」

勇次郎「それがワカらぬほどのボンクラでもあるまい」

満夫「ハハ……さすが範馬さん、痛いところを突く」

満夫「ですが……ボクの人生なんてこんなものなんです」

満夫「六四とはいえ、天下の徳川商事に入れただけで、ボクにとっては快挙なんです」

満夫「もう、十分満足してるんですよ」

満夫「このまま低空飛行でいいんですよ」

満夫「わざわざ波風立てるようなマネはしたくないんです……ハハ」

勇次郎「フンッ……なるほど」

勇次郎「つまり闘わぬ人生を甘んじて享受する、と──」

344以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:14:51.67 ID:0Kf4G/Br0

勇次郎「ハハハハハハハハハハハハハハハッ!!!」

満夫「!?」ビクッ

勇次郎「いやァ~笑わせてもらったぜ」

勇次郎「駄犬ですら追い詰められれば牙をむくもんだが……」

勇次郎「ここまでの負け犬は、もはや天然記念物だなァ、オイ」

満夫「…………」

満夫「う……うっ……」

満夫「うるせェんだよォォォッッッ!」

満夫「そりゃ俺だって、やってみたいさッ! やれるもんならッ!」

満夫「一度でいい、一度ぐらい──牙をむいてみてェさッッッ!」

満夫「課長たちに怒鳴り返す俺の姿を、何度妄想したか分からねェッッッ!」

満夫「だがよ──できねェ人間もいるんだよ!」

満夫「アンタみたいな強いヤツにゃワカらねェだろうがよッッッ!」

勇次郎「…………」メキッ…

満夫「────!」ハッ

346以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:17:35.27 ID:0Kf4G/Br0

満夫(しまっ──)(大声出したの久々だな)(無謀)(怒らせた?)(死ぬッ)

勇次郎「止めろ」

満夫「え……」ビクッ

勇次郎「車を止めろ」ギワ…

満夫「は、は、はは、はいっ!」

満夫(お、終わった……殺されるッ!)ガタガタ…

キキィッ……!

ガチャッ……!

車を止め、歩道に出る勇次郎と満夫。

勇次郎「皿理よ……俺にあそこまで怒声を浴びせた人間はそうはいねェ」ニタァ…

勇次郎「褒美をやろう」ニィ~

満夫「え……ッッ」

347以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:18:45.94 ID:3QRJu9ZM0

期待

348以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:19:17.97 ID:HeM1Qsnt0

死刑宣告にしか聞こえん

349以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:19:45.75 ID:rxXQCiHf0

耳から血流して死ぬぞ

355以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:22:48.83 ID:0Kf4G/Br0

勇次郎「俺に拳を打ち込んでこい──全力でな」

勇次郎「名のある格闘士でも、俺に拳を打ち込めた奴はほとんどいねェ……光栄に思え」

満夫(全力でってアンタ──)

満夫(殴り合いの喧嘩なんかしたことない俺でもワカる……反撃する気満々じゃん!)

満夫「ボ、ボクにはできませんよ、そんなこと──」

勇次郎「やらねェのなら、殺す」

殺す。

陳腐な脅し文句などではない──現実(リアル)な殺害表明。

一介のサラリーマンである皿理満夫に、もはや選択肢は残されていなかった。

満夫(本気じゃん……ッ! 殴らなきゃ、殺される……ッ!)

本気で人を殴るという未体験──

その初体験の相手が、よもや地上最強の生物になってしまおうとは──

満夫「で……でやぁぁッ!」シュッ

ベチッ……!

358以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:23:57.50 ID:GN/0tXYc0

拳潰れちゃう

359以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:24:12.94 ID:G5SPgqqd0

原作で勇次郎に真面に拳入れたのって誰だ

369以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:26:39.70 ID:0Kf4G/Br0

満夫「つっ……!」ビリビリ…

満夫(硬ッ!)(初めての感覚──)(岩!?)(拳痛い)(微動だにしてねェ)

勇次郎「ふむ……」

勇次郎「ならばもう一つ、褒美をくれてやろう」

満夫「は……?」

勇次郎「この範馬勇次郎の拳をな」ギュゥ…

満夫「ハァ!?」

勇次郎「俺に拳を打ち込むってのは──そういうことだ」

ブオンッ!!!

370以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:27:24.45 ID:unhCINJ90

ふぇぇ、死んじゃうよお

371以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:27:55.04 ID:j2XFKg1c0

しってた

372以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:28:05.83 ID:1745BYBe0

あれ?え?デッドエンド?え?

374以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:28:27.69 ID:I4BeNShf0

逝ったか?

376以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:29:50.31 ID:3NZbBZ1b0

これは展開が読めぬ

378以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:31:02.64 ID:0Kf4G/Br0

誕生── (なんでこんなことに) 幼稚園── (褒美じゃなくね!?)

小学校── (ハメられた……) 中学校── (即死だな、こりゃ)

高校── (っていうか、さっきからなんだこれ) 大学── (走馬灯ってやつ!?)

就職── (こうして改めて体験すると俺だって──それなりに頑張ってるじゃん)

死にたくないッッッ 俺の人生はこんな簡単に終わっていいもんじゃない!!!

勇次郎の拳は──直撃寸前で停止(とま)っていた。

満夫「…………ッッ」ジョロ…

勇次郎「皿理よ……なにが見えた。そして、なにを感じた」

満夫「今までの……自分の、人生が……見え、ました……」

満夫「そして、俺の人生は捨てたもんじゃない……死にたくない、と……」

満夫「“こんなもんだ”なんて、簡単に諦めていいもんじゃない、と……」

380以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:31:53.84 ID:6yDrJosQ0

普通にいい話じゃんッッッ

384以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:35:58.67 ID:QF+xTjojO

いいね

385以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:36:38.97 ID:0Kf4G/Br0

勇次郎「車に戻るぞ」

勇次郎「これ以上──ベチャクチャとしゃべる趣味はねェ」

満夫「…………ッッ」

勇次郎「ただしこれだけは覚えておけ」

勇次郎「キサマはこの範馬勇次郎の拳を向けられて、生きている、ということをな」

満夫「…………!」

満夫「……あ」

満夫「あ、あ……ア……」

満夫「アリガトウございましたァッッッ!!!」

勇次郎(……我ながら下らねェことをしたもんだ)

勇次郎(だが、サラリーマンたる者──)

勇次郎(出来のワルい先達のケツを叩くくらいしなきゃあな……)

387以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:37:13.95 ID:vFX9Xyp0i

おもろいぞッ!

388以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:37:20.00 ID:CZY4Mj140

勇次郎かっけえ

390忍法帖【Lv=5,xxxP】(1+0:15) 【3.5m】 【東電 63.7 %】2013/11/19(火) 01:39:31.89 ID:1745BYBe0

すっかり丸くなっても面白い

395以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:40:53.17 ID:0Kf4G/Br0

そして──

課長「皿理君、例の件のプレゼン資料、今日中に作っておいてくれたまえ」

満夫「…………」

満夫(あれ……? なんだか課長が、いつもより小さく見えるぞ……?)

満夫「分かりました」

満夫「ですが、この資料は三日後のプレゼンテーションで使うので」

満夫「明日中でも十分間に合うはずですよね? 課長」

課長「なんだと、口答え──」

満夫「…………」ジッ…

課長(ぐっ……!? な、なんだこの目つきは!?)

課長「わ、分かった……明日中でかまわんよ……」クルッ

満夫「…………」ホッ…

満夫(さすがに範馬勇次郎みたいにゃいかないが、俺にしちゃ上出来、かな?)

396以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:41:44.67 ID:MyKEXEf/0

満夫も勇次郎が退職する頃には無理難題をサラリとかわせるようになるんですね

398以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:42:23.34 ID:L8NFQ7W80

>>396
誰が上手いことを言えと

397ninja2013/11/19(火) 01:41:46.23 ID:LdqPydwji

素晴らしいッッ!!!

399以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:42:42.40 ID:jr96+RVH0

良スレだわ

400以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:43:21.78 ID:TiCFW6Bq0

ほっこり

401以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:45:39.13 ID:0Kf4G/Br0

皿理満夫は最後にこうしめくくった──

満夫「ええ」

満夫「それからまもなく、範馬勇次郎は退職しましたよ」

満夫「まさに嵐の如し、でしたね」

満夫「──え、ボクですか?」

満夫「あいにく、そこまで劇的に生活や性格が変わったワケじゃありませんよ」

満夫「ですが──」

満夫「少なくとも以前より、ずっと前向きになったのはたしかです」

満夫「なにしろ、あの地上最強の拳を間近で体験したんですからね」

満夫「アレに比べれば、他のどんな人物や事件も、小さく見えてしまいますよ」

402以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:45:59.00 ID:oVJGm0G20

感動した
上司と言えど人、真剣に向き合って初めて相手も真剣になる

403以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:47:22.58 ID:E5GrCXjK0

さて、給料はどうなることやら

404以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:48:03.67 ID:W5PD9TdR0

まんお・・・

405忍法帖【Lv=36,xxxPT】(1+0:15)2013/11/19(火) 01:49:04.28 ID:kBPkGdBb0

感動した

407以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:50:08.98 ID:3NZbBZ1b0

勇次郎でいい話で終わるとは

409以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:51:15.49 ID:0Kf4G/Br0

<刃牙ハウス>

刃牙「親父、一ヶ月のサラリーマン生活はどうだった?」

勇次郎「ふむ……思ったよりは楽しめた」

勇次郎「強さって山は登り詰めちまったが──」

勇次郎「こうやって色々な職を体験するのも悪くはねェかもな」

刃牙(親父には悪くなくても、みんなに悪いっての……)

刃牙「ところで……初任給兼退職金は、いったいなにに使うつもりなんだい?」

勇次郎「決まってんだろ……」

勇次郎「初任給の使い道は、親孝行と相場が決まっている」

勇次郎「範馬勇一郎の墓前に、少し豪華な花と酒でもそえてやるか」

刃牙「オォ~、それいい!」

勇一郎『フフ……らしくもないことを……』

                                   ~ 完 ~

410以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:51:42.50 ID:DpCBLTJJ0

何と綺麗な終わり

411以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:52:07.40 ID:3NZbBZ1b0

いい話だった

412以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:52:16.37 ID:ooSO9Y9l0


面白かった

414以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:52:29.36 ID:ruCHDP+IO

いい話だなあ

416以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:53:01.13 ID:E5GrCXjK0

くぅ~~・・・ッッ!
い~~ぃ親父じゃねェか!!

417以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:53:55.93 ID:gQcj1qpS0

面白かった>>1乙!!!

418以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:53:56.17 ID:VMqCIkeyO

乙、素晴らしかった

420以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:54:39.12 ID:jr96+RVH0

乙ッッッッッッ!

421以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:54:47.99 ID:fs6yiK3r0


まさか勇次郎でこんな美談になるとは

422以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:55:01.35 ID:/nYzR7RSi

乙ッッ!

424以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:55:54.79 ID:RWf1Qg5F0

乙!面接頑張ってくる

425以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 01:56:22.53 ID:GaKsh5nR0


起きてて良かった!

427以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:00:31.19 ID:uVNrp0FYi

429以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:02:41.50 ID:0SjSBtLE0

乙!明日も頑張るか―ッ!

431忍法帖【Lv=30,xxxPT】(1+0:15)2013/11/19(火) 02:08:26.66 ID:U7Mwr+vk0

乙!

432以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:08:57.88 ID:lDbRF9kF0

遅かったかー
乙!

434忍法帖【Lv=30,xxxPT】(1+0:15)2013/11/19(火) 02:13:53.43 ID:U7Mwr+vk0

>>432
似てるww

447以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:33:14.78 ID:PksOf0uM0

>>432
ワロタ
似合ってるwww

473以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 07:09:32.48 ID:CibUSGR80

>>432
保存した

475以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 07:24:59.15 ID:a8iCKJ3L0

>>432
いいなこれ
名スレ

476以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 07:26:37.19 ID:lqXbc2W40

>>432

433以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:09:58.41 ID:4hp5uMyH0

乙ッッッッッ

435KKK ◆AS7yB07AVAL5 2013/11/19(火) 02:14:31.47 ID:dlp74HWx0


面白かった

436以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:14:57.26 ID:4HD82r5S0

マジで面白かった!
乙ッッッッッッ!

441以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:21:58.61 ID:22lxsoSr0

計算し尽くされたSSッッ
乙せざるを得ないッッッ

443以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:25:45.47 ID:lAkhjGto0

勇次郎やっぱかっこいいわ

445以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:29:30.12 ID:SA14jLqj0

楽かったよ乙

446以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:29:43.02 ID:fl/yymjX0

いい終わり方だな、普通に板垣先生が短編漫画としてそのまま
書いてもいいレベル

450以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:34:59.40 ID:efQ+Tn4I0

面白かった!また書いて欲しい

451以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 02:50:09.59 ID:wopCuTwp0

文句なく面白かったわwww
おつかれ

501以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします2013/11/19(火) 10:43:16.10 ID:vFX9Xyp0i

貴様ら働けいッッッ!!!!

まいんちゃん「胸小さすぎてヤバ…」

ジムでTバック履いてたらキチ女に因縁つけられる!!!!彼氏「キェェエエ工工!!!!!!」

マクドナルドのデリバリーの料金クソワロタwww

Siriに「ばーか」と言ったらwww

胎児集まれ~wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

引用元:刃牙「親父ィ……サラリーマンやってくんね!?」

コメント

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