波平「母さん、話がある」

波平「ワシは生まれて何年経ったじゃろうか…」

フネ「54年ですかね…」

波平「そろそろワシも新しい世界というのを見てみたいんじゃ…」

フネ「何言ってるんです、お父さん！あなたはまだ若いじゃありませんか！」

波平「いや分かるんじゃ、ワシはもう…」

フネ「分かりましたお父さん…、何処へでも行ってくださいな」

波平「フネ…」

フネ「いつ出発するんです？」

波平「明日じゃ…」

フネ「はい…」

波平「カツオや」

カツオ「なんだい、お父さん？」

波平「カツオ、勉強しっかり頑張って大学いって母さんを幸せにするんじゃぞ」

カツオ「なにいってんだいお父さん、任せてくれよ」

波平「バッカモーン！！たるんどる！日々精進するんじゃぞ！」

カツオ「えぇ…？」

波平「ワカメ、お前は美人になるぞ」

ワカメ「ええ？」

波平「ダメなお兄ちゃんをよろしく頼むぞ」

サザエ「なぁに？お父さん？」

波平「サザエ、お前はドジで間抜けな長女だがやる時はやるやつだ。カツオとワカメを頼んだぞ」

マスオ「なんですかお父さん？」

波平「マスオ君、サザエをよろしく頼むぞ。そして磯野家の大黒柱としてしっかり皆を支えるんだぞ」

タラオ「なんですか？」

波平「タラちゃん、立派な大人になるんだぞ！そしてお母さんとお父さんを支えるんだぞ！」

波平「さあて」

波平「この家は本当に世話になったな」

波平「おや、涙が…全く情けないわい」