
1:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)22:58:17.78 ID: 99pKyuHe0
トリコ「おまえ…美味そうだな」
2:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)22:59:13.70 ID: 518R8csHd
ありそう
3:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:00:07.36 ID: 99pKyuHe0
小松「……トリコさん?」
トリコはゆっくりと立ち上がった。
そして、一歩——また一歩と、小松に近づいてくる。
トリコ「小松……お前さ。」
その声は、どこまでも優しかった。
だが、それがかえって恐ろしい。
トリコ「お前も、最高の食材だと思わないか?」
小松「………………え?」
鼓動が、異常な速度で跳ね上がる。
トリコは、笑っていた。
——まるで、極上の料理を前にしたときのように。
4:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:02:46.64 ID: 99pKyuHe0
トリコ「なぁ、小松。お前さ、普段から”食”のことを一番に考えてるだろ?」
トリコ「自分が”食べる”側じゃなくて、“食べられる”側だったら……どんな味になるか、気にならねぇか?」
小松の喉が、カラカラに乾く。
小松「や……やめてくださいよ、トリコさん……冗談ですよね?」
トリコの笑みが、さらに深くなる。
トリコ「冗談なわけねぇだろ?」
5:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:03:04.14 ID: 99pKyuHe0
トリコ「なぁ、小松。お前さ、普段から”食”のことを一番に考えてるだろ?」
トリコ「自分が”食べる”側じゃなくて、“食べられる”側だったら……どんな味になるか、気にならねぇか?」
小松の喉が、カラカラに乾く。
小松「や……やめてくださいよ、トリコさん……冗談ですよね?」
トリコの笑みが、さらに深くなる。
トリコ「冗談なわけねぇだろ?」
7:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:04:39.32 ID: 99pKyuHe0
——ズンッ。
トリコの足が地面を踏みしめる。
その瞬間、小松の全身に”本能的な恐怖”が駆け巡った。
これは——“捕食者”の気配だ。
逃げなければ——
小松は反射的に後ずさる。
だが——
トリコ「遅ぇよ。」
次の瞬間、小松の襟首を掴み、地面に叩きつけた。
小松「ぐ、ぅっ!!!」
肺から空気が押し出され、視界が揺れる。
恐怖で、頭が真っ白になる。
8:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:05:35.61 ID: 99pKyuHe0
トリコ「なぁ、小松。“恐怖”は最高の調味料だって、知ってるか?」
小松の心臓が、爆発しそうなほど脈打つ。
小松「や……だ……助けて……!!!」
トリコは、楽しそうに目を細めた。
トリコ「いいねぇ……その顔。最高の食材になれるぜ。」
9:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:06:51.46 ID: 99pKyuHe0
焚き火の赤い光が、トリコの顔を照らしていた。
その笑みは、狂気に満ちている。
トリコ「小松……お前、料理人だよな?」
小松「……っ!!」
心臓が凍りつく。
トリコが何を言いたいのか、分かってしまった。
トリコ「お前は料理人で……食材もお前……」
トリコ「どういうことか、もう分かるだろ?」
小松の目から、スゥッと色が失われる。
小松「……や……だ……」
声が震える。体も震える。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
こんなの、嫌だ。
10:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:07:48.18 ID: nMy0EbfOM
食運の塊みたいな男だからトリコは勝てんやろw
11:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:07:53.13 ID: 99pKyuHe0
小松「トリコさん……やめてください……!!」
トリコ「何言ってんだよ、小松。お前は料理を愛してるんだろ?」
トリコは愉しそうに、小松の頬を撫でた。
トリコ「だったら……自分自身で最高の料理を作ってみろよ。」
——ぞくり。
小松の体が、一瞬で冷たくなる。
トリコは、小松の手を掴み、包丁を握らせた。
トリコ「さぁ……“いただきます”の時間だ。」
12:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:07:59.13 ID: bWSQcGNA0
うおおおおおおおおおおおおおおおお
13:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:08:32.24 ID: 632VvX550
ネオと被ってるやん
14:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:09:33.95 ID: 99pKyuHe0
小松の顔から血の気が引いていく。
涙がぽろぽろと零れ、震えながら首を横に振る。
小松「いやだ……いやだぁぁぁぁぁ!!!」
トリコ「ハハッ、いい顔になったじゃねぇか!」
トリコ「さぁ、調理を始めようぜ。」
小松「……ッ!!」
涙が頬を伝う。
でも、トリコは許してくれない。
トリコ「まずは……どこからいく?」
16:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:10:39.59 ID: 99pKyuHe0
焚き火がパチパチと爆ぜる音が、異常に大きく聞こえる。
小松は、包丁を握ったまま震えながら息を呑んだ。
小松「……無理、です……こんなの……!」
トリコ「無理じゃねぇよ。」
——ゴッ!!
トリコの拳が、小松の腹をえぐる。
小松「ぐぅっ……!!!」
胃の中のものが込み上げるが、吐くこともできない。
視界が揺れる。
トリコ「お前が作った料理は、いつも最高だったよな。」
17:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:11:33.56 ID: 99pKyuHe0
トリコ「でもよ、“自分自身”を調理したら、どんな味になるんだろうな?」
その言葉が、小松の頭の中を支配する。
——どんな味になるのか。
——自分の肉を、どんな風に料理すれば美味しくなるのか。
恐怖とともに、職業柄の思考が入り込んでしまう。
トリコ「料理人なら、最高の調理法を知ってるはずだよな?」
トリコは小松の手を掴み、包丁を持ったままのそれを持ち上げた。
トリコ「さぁ、小松。お前の肉で、一番美味い部分はどこだ?」
小松の喉が、ごくりと鳴る。
小松「…………も、もも肉……です……。」
19:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:12:22.12 ID: w2mlZuf30
ホモ的に食う話かと
20:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:12:31.17 ID: owCkCmNDa
ホモじゃないじゃないか😡
22:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:12:49.47 ID: 99pKyuHe0
自分で答えてしまったことに、ゾッとする。
トリコは満足そうに頷いた。
トリコ「じゃあ、まずはそこからいってみようか。」
小松の手が、ゆっくりと、自分の太ももに向かう。
包丁の刃が、薄く皮膚に当たる——。
小松「ぁ……ぁあ……」
23:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:13:23.23 ID: 99pKyuHe0
涙が止まらない。
怖い。
嫌だ。
でも、逆らえない。
トリコ「大丈夫だ、小松。“痛み”もスパイスのうちだろ?」
——ザクッ。
刃が、皮膚を切り裂いた——。
26:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:15:21.47 ID: 99pKyuHe0
焚き火の炎が揺らめく中、トリコはじっくりと焼かれた”肉”を見つめていた。
脂がじゅわりと溢れ、香ばしい香りが鼻をくすぐる。
こんがりと焼き上がったそれは、極上の食材だった。
トリコ「……はぁ……すっげぇな、小松……」
トリコは陶酔したように呟く。
皿の上には、“小松のもも肉”。
自分で削ぎ取ったそれを、最高の技術で調理し、じっくりと焼き上げた。
27:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:16:03.68 ID: 99pKyuHe0
トリコ「いい焼き色だ……皮はパリッとしていて、噛めばジュワッと肉汁が広がる……!」
小松は、地面に横たわりながら息を荒くしていた。
血を流し、唇を噛みしめる。
涙を流しながら、トリコを睨む。
小松「……トリコ、さん……っ……やめ……」
トリコ「いただきます!」
小松の声を遮るように、トリコはフォークで肉を刺し、一口頬張った。
28:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:16:50.55 ID: B8hCeDi30
もうやめろや
早くかけや
29:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:17:25.16 ID: 99pKyuHe0
——ジュワッ!
弾力のある食感の後に、芳醇な旨味が口いっぱいに広がる。
トリコの表情が、一瞬にして恍惚としたものへと変わる。
トリコ「う、うめぇぇぇぇぇッッ!!!」
トリコ「こいつは……最高の食材だ!! なんてジューシーで濃厚な旨味……!!」
口の中に広がる肉の甘み、香ばしい皮の食感……すべてが完璧だった。
トリコ「やっぱりお前、最高の料理人だよ、小松!! まさか自分自身をここまで美味く仕上げられるとはな!!」
30:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:18:02.71 ID: 99pKyuHe0
トリコは次々に肉を口に運ぶ。
まるで飢えた獣のように、貪る。
その様子を、横たわる小松はじっと見つめていた。
そして——静かに、笑った。
小松「……っ、ふ……ふふ……」
トリコ「ん? どうした小松?」
トリコが怪訝そうに小松を見た瞬間——
——ギュルルルルルルルルルルル!!!!
腹の底から、異常な音が鳴り響いた。
33:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:20:49.03 ID: 99pKyuHe0
トリコ「ぐっ……!? うっ……!? なんだこれ……!!」
身体が熱くなる。
内臓が焼けるような痛みが走る。
胃の中がひっくり返ったように、猛烈な吐き気が込み上げる。
トリコ「な……ん、で……!?」
トリコは苦しみながら、目を見開いた。
小松が、血を流しながら微笑んでいた。
小松「……トリコさん……知ってますか……?」
小松「人間の肉って、調理方法を間違えると……めちゃくちゃ毒が強いんですよ。」
35:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:21:46.00 ID: 8NzEb6Zc0
もも切り取られて普通にしてる小松つよい
36:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:22:12.44 ID: 99pKyuHe0
トリコの表情が、凍りつく。
小松「特に……僕みたいな料理人は……長年いろんな食材を扱ってきたせいで、体内に細菌が蓄積してるんです。」
小松「だから、ちゃんと処理しないと……食中毒になっちゃうんですよね……」
トリコの顔から、見る見る血の気が引いていく。
口の中に広がる旨味の奥に、微かに感じる違和感——
苦み、そして、わずかな痺れ。
トリコ「お前……俺を……ハメやがったな……!?」
小松「……っ、はは……あたり、です……!!」
37:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:23:07.64 ID: 99pKyuHe0
小松は血まみれになりながら、勝ち誇ったように笑った。
小松「“食材”としての……最後の抵抗、ですよ……!」
トリコの膝がガクンと崩れ、地面に手をつく。
視界が揺れる。
意識が、遠のいていく——。
トリコ「くそっ……やられた……!」
43:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:27:11.08 ID: so3b5N8r0
文字の美食會
47:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:34:24.80 ID: 99pKyuHe0
トリコは苦しみに顔をゆがめながら、体を引きずるようにして立ち上がった。
その目は、未だに小松に向けられている。
トリコ「お前……許さねぇ!!」
体内に広がる激しい痛みに耐えながら、トリコは必死に拳を握りしめる。
その右手に力を込め、釘パンチの構えを取る。
トリコ「この……クソガキ、絶対にぶっ飛ばしてやる!!」
48:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:36:44.73 ID: 99pKyuHe0
小松が血を流しながら、弱々しく笑うのが見えた。
小松「……やめといた方が…トリコさん。」
小松「そんなので……僕をどうこうできると思いますか?」
苦しみながら立ち上がるトリコ。
その姿は、まるで獣のようだ。
トリコ「お前……死ね!!」
激しく走り出したトリコは、そのまま右拳を振りかぶった。
その拳が、一度振り下ろされれば、間違いなく小松を吹き飛ばすだろう。
だが——
49:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:41:18.66 ID: 99pKyuHe0
トリコ「くっ……」
その瞬間、内臓の激痛が一気に襲いかかる。
その痛みが、トリコの体を狂わせる。
トリコ「ふ……ぐ……!!」
足元がグラリと揺れる。
小松「……トリコさん、もう無理でしょう?」
トリコの体は、バランスを崩してそのまま地面に倒れ込んだ。
トリコ「うっ……!」
地面に叩きつけられる音が響く。
その音は、まるで希望が砕ける音のようだった。
小松「ほら……やっぱり。」
小松は痛みをこらえながら、トリコを見下ろす。
50:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:47:16.23 ID: 99pKyuHe0
小松「……もうおしまいですね。」
トリコは、痛みに顔を歪めながらも、悔しそうに小松を睨みつける。
トリコ「……お前、絶対に……忘れねぇからな……!!」
だが、その声はかすれて、力を失っていた。
視界がだんだんとぼやけ、意識が遠のいていく——。
小松「さぁ、終わりです…トリコさん。」
トリコの目の前で、笑みを浮かべた小松の顔が、徐々に遠ざかっていく。
そして、完全に暗闇に包まれる——。
【終】
40:それでも動く名無し : 2025/02/21(金)23:25:40.04 ID: sHE4ORxH0
なにこれ…
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