女の子「絵を描くのが趣味です」

ピロリロリン

女の子「なんだろ・・・メール？えっと、『絵、凄く良いですね。応援してます。』

女の子「・・・がんばろっ」

シコシコシコシコ・・・ﾄﾞﾋﾟｭ

俺「ふう・・・なんだこれ」ｶﾁｯ

俺「・・・すごく綺麗な絵だな」

カタカタカタ

俺「送信、と」

俺「お、返事来た」

『応援ありがとうございます！頑張ります！　美奈』

俺「美奈ちゃん、か」

ぼく「よし描けた、VIPに晒すぞ」

お前ら「死ねへたくそ」

ぼく「」

俺「ツイッターでも見るか・・・ん？見覚えある絵だな」

美奈「絵を描きました」

俺「これ・・・もしかしてあの子かな・・・フォローしておこう」

数日後

俺「おお、フォローバックされてる。やっぱりあの子か」

同時刻（ツイッター）

美奈「男の子苦手＞＜」

俺「・・・クソ女かよ」

『いつも描いてらっしゃる絵、綺麗な女の子ばかりで素敵ですね』

美奈「えへへ・・・」

『男性は描かないんですか？』

美奈「・・・」ｶﾀｶﾀｶﾀ

ピロリロリン

俺「ん、メールだ」

『男性が苦手なので、上手くイメージを掴めないんです。ごめんなさい」

俺「いい子だ」

俺「適当にツイッターに投稿しよう」

ﾋﾟﾛﾝｯ

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俺「・・・俺もこの子の絵、お気に入りしておこう」

ﾋﾟﾛﾝｯ

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美奈「あ、写真の人・・・えへへ」

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俺「！？」

美奈「いつもお気に入りありがとうございます、たまにはお話しませんか」

俺「初めまして、俺です」

美奈「初めまして、美奈です」

俺「いつも綺麗な絵を描いてるね、その絵凄く好きだよ」

美奈「あ、ありがとうございます」

俺「絵はいつ描いてるの？」

美奈「すいません、今も描いてます」

俺「そうなんだ、見たいな」

美奈「画面キャプチャしますね」

俺「ありがとう、いいな、好きな絵が出来上がっていく様を見れるのって感動する」

美奈「大げさですよ」

俺「人は不確かな物を手にする時、その金額である種の安心感を得る」

俺「それは実は結構虚しいことで、結局は知識を深め理解を進める方が有意義だったりする」

俺「手間を惜しみ、無駄に金を出すのは賢いことじゃないと思う」

スカイプ

美奈「俺さん、あれなんだったんですか」

俺「鼻毛カッターの話。なんか百均に売っててもいいような構造なのに1000円とかするから」

美奈「厨二病」

俺「ごめん」

美奈「俺さん、どこに住んでますか」

俺「美奈ちゃん出会い厨？怖いんだけど」

美奈「切りますよ」

俺「すいません、九州です。美奈ちゃんは？」

美奈「関東です」

俺「遠いね」

美奈「はい」

俺「どうしたの急に」

美奈「なんでもないです」

俺「そう」

美奈「はい」

美奈「俺さん、相談があります」

俺「何、急にどうしたの」

美奈「私、美術の専門学校に通っていました」

俺「知ってる」

美奈「でも就職できずにフリーターしてます」

俺「そうなんだ」

美奈「就職したら、支社が九州にあるんです」

俺「えっ」

美奈「〇〇県です」

俺「同じだ」

美奈「それを報告したかったんです」

俺「うん」

美奈「はい」

俺「初めまして、俺です」

美奈「初めまして、美奈です」

俺「会っちゃったね」

美奈「会っちゃいましたね」

俺「男性苦手なんじゃなかったの」

美奈「俺さんならなんか平気でした」

俺「そっか」

美奈「なんか弟みたいで」

俺「」

俺「ハッピーバースデー」

美奈「ありがとうございます」

俺「ドライブしましょう」

美奈「どこ行くんですか」

俺「公園」

美奈「･･･」

俺「俺の過ごした町を一望出来る丘の上にある公園」

美奈「！」

美奈「なんでしょう」

俺「絵本です」

美奈「絵本？」

俺「貴女の描いた絵を一冊の本にしました」

俺「この世に一冊しかありません」

俺「見慣れているかもしれないけど、どうか受け取ってください」

美奈「･･･ありがとう、ござい、ます…ﾋｸｯ…ﾋｸｯ…」

俺「それと」

俺「もしよければ付き合ってください」